○○ケータイ学 第三部 未来への遺産〜
2007.12.23
歴史法則により、世界の行き着く果ては「携帯の滅亡とPHSの繁栄」に決定しました。
・・・・・・。
このページ初めて見た人がここだけ読んだらドン引きですよね。
まるで私がPHSの狂信者みたいじゃないですか?
え?違うの?
誤解されないためにも、ここらで「違う目線」が必要です。
そうだよ、だいたい前回前々回と「人間」は調子乗りすぎ。
偉そうに主体的で理性的な唯一の存在とか言っちゃって・・・・なんか書いてきてだんだん腹が立ってきた。
そこで今回は「人間」に対して手のひら返すことにします。
オレは人間をやめるぞジョジョォー!
まずですね。前回ちょくちょく出てきた歴史法則。
それって何よ?
たんに歴史に対する信仰を美化してるだけジャン。
そうじゃなくて歴史の中で「永遠に変わらないもの」が大切なんじゃないの?
それに「歴史法則」の根拠として出てきた弁証法。
論理学的に悪いとは言わないけど、歴史観として使うのはどうなの?
前回の例ではPHSについて異なる意見をぶつけ合いながら、弁証法的に歴史が進んでいました。
PHSの優位性や弱点が、携帯のそれと比較されながら、歴史が決められていましたよね?
その結果、「ISDNの高速回線」「弱電磁波」「省電力性」「小型化の容易さ」という「科学的根拠」によって、「携帯は滅んでPHSが生き残る未来」とやらが確定していました。
それが歴史に対する信仰の美化なんですよ。
「高速性」「弱電磁波」「省電力性」「小型化の容易さ」は、モバイルという歴史の中で「永遠に変わらないもの」にすぎません。
別にPHSの専売特許じゃないってこと。
携帯だって高速化するかもしれません。
ISDNの64Kを追い抜いて、HSDPAとかメガクラスの通信速度を携帯が実現するかもしれません。
(廢人A「そんなハズはない!PHSのほうが先に基地局を束ねて128Kや“体感的にはメガクラス”を実現するハズだ!9.6Kの携帯なんて(以下略」)
「弱電磁波」だって「省電力性」だって「小型化の容易さ」だって、あるいは「端末代金の安さ」や「通話料の安さ」だって、
モバイルという歴史の中で「永遠に変わらないもの」にすぎないのです。
油断大敵。
これら全てを先に携帯がやってのけてPHSが苦境に陥る「未来」があるかもしれませんよ・・・
次に主体的で理性的な人間という考え方。
それってどうなの?
主体的っていうけど、本当に主体的なの?
鳥は飛ぼうと思って飛んでいるわけではありません。飛べるようにできてるから飛んでるだけ。
魚は泳ごうと思って泳いでいるわけではありません。泳げるようにできてるから泳いでるだけ。
人間だって同じです。
主体的に行動しているわけではなく、文化の中で決まったことをするようにできてるだけなのです。
(何でクリスマスやお正月を祝うの?文化の中で決まっているからでしょ?)
理性的なんて言うけれど、結局目に見えない構造の中で生かされてるだけなんだよ。
「高速性」「弱電磁波」「省電力性」「小型化の容易さ」「端末代金の安さ」「通話料の安さ」・・・・
これらは別にPHSが主体的に目指したわけじゃありません。
たまたまPHSがそのようにできていただけなのです。
・・・・れさく、おまえ冷てーヤツだな。
そんな声が聞こえてきそうです。
人間の主体性をひっくり返して、「所詮決められた運命の中で生きてるだけだよ」みたいな。
人間味のカケラもねーな。
そんな声が聞こえてきそうです。
そうですよね。
戦争映画なんかで
(パカッ←ペンダントの中の写真見せながら)「オレ、この戦争が終わったら彼女と結(パーン!)
「マルクーッ!死ぬなマルクーッ!」
(血をダラダラ流しながら)「オレはもうダメだ・・・ここはオレが引き付ける!お前は先に(略」
「やめろ!マルク!戻って来いー!」
「うぉぉぉ!この傷の痛み!この流れる血の熱さ!これが人間の証だーッ!!」(ドカーン!)
はい、感激ですね。人間的ですよね。
で、ここで「いや証とかどーでもいいから、まず血を止めろよ」とか言っちゃうと「人間味のカケラもない」ってことになるんですよね。
でも考えてみて。
傷の痛みや流血を強調するのが人間的なの?
痛みを認識し、傷のダメージを数値化して分析、流血の量と血液型を調べて治療を進めて回復させることは人間的じゃないのですか?
映画的につまらなくなることは認めますが(苦笑)
つまりそういうこと。
目に見えない構造はいろいろなところに当てはめられます。
「モバイルの歴史」だけでなく、「モバイルにおける対立する歴史観」にも当てはめられます。
Dポ系ファンサイト「携帯って電波強すぎ!以下略」
アステル系ファンサイト「DDIポケットって電波強すぎ!以下略」
Dポ系ファンサイト「携帯って音質悪すぎ!以下略」
au系ファンサイト「ドコモやJフォンって音質悪すぎ!以下略」
・・・・・・・
・・・・
・・・
さあ、だんだん分からなくなってきました。
弱電磁波ってPHSの専売特許じゃなかったの?
何で同じPHSのアステルにDポが責められてるの?
高音質ってPHSの専売特許じゃなかったの?
何で携帯のauがそれを売り文句にしてるの?
悪が正義で、正義が悪で?
めまいがしてきました。
今のめまいは、パラレルワールドへの入り口でした。
ものごとを相対的に捉えれば、そして構造を読み解いたのなら、いろんな世界があり得るのです。
ここはもはや「携帯の滅亡とPHSの繁栄」が約束された世界ではありません。
いつの間にか通信速度で大きく差を付けられ
端末の機能でも大きく水を空けられ
通話料の安さも目立たなくなり
加入者が激減して
PHS消滅寸前?
そんな世界。
夢なら醒めて欲しい。
これは悪夢に違いない。
どんなに言い聞かせても、目の前から消えることの無い真実。
そっ、そうだ!(焦)パラレルワールドなら、もう一回「携帯は滅んでPHSが生き残る」世界へジャンプすればいいジャン!(汗)
そうですね。
そしてそれは可能です。
でもね・・・あなたが「携帯は滅んでPHSが生き残る」世界へ飛んだとしても
こっちの「PHSが滅んで携帯が生き残る」世界も、同じように存在し続けるんですよ。
人間は全てのパラレルワールドに関係することはできません。
その中の「一つの世界」にしか、責任を負うことができないのです。
次回「○○ケータイ学 第四部 大いなる遺産〜」(結局ジョジョネタじゃん)
人間は主体的に歴史なんか作っていなかった。
それどころか、ただ目に見えない構造の中で生かされてる存在に過ぎなかった。
その歴史が「PHSが滅んで携帯が生き残る」と決まっているならば、その先には絶望しかないのであろうか?
奇跡を信じろ。
そこでは神との対峙から「人間」が確立されるまでの物語が展開されます。