○○ケータイ学 第二部 その誇り高き血統〜
2007.11.8
PHSは自分がPHS「ではない」とは考えません。
携帯も自分が携帯「ではない」とは考えません。
それを考えられるのは、主体性を持ち理性的な存在である人間だけ。
その人間は携帯を作りました。PHSも作りました。
ここんとこは重要です。
携帯やPHSがニョキニョキと地面から生えてきたわけではありません。
まず人間が「電話機を持ち歩けたらいいな」「アンテナがあって無線で繋がればいいな」「形はこんなのがいいな」・・・・・そんな風に考えました。
これが本質です。「アイデア」や「設計図」と置き換えても、まあいいかも知れません。
で、それをもとに工場でガチャガチャ作られて携帯やPHSが実存します。実際に存在するわけです。
つまり、まず本質があって、その後に実存する。
当たり前です。
逆だったら不気味です。ニョキニョキ。
しかし、その「逆」がこの世にひとつだけ存在します。
人間です。
人間はまず生まれて実存します。
その後から「我って何ぞや?」と考え、認識し、最終的に「ボクはボクなんだ!(シンジ風)」と自覚して本質となります。
人間だけが実存は本質に先立つわけです。
さて、そんな訳で人間はエライわけです。
もう好き勝手。
そんな好き勝手な人間が、携帯やPHSの歴史を好き勝手に作ります。
「電話機を持ち歩きたい!」
「もっと軽くしろ!」
「もっと電池持たせろ!」
「もっと安くしろ!」
「端末代高くてもいいから通話料安くしろ!」
「ふざけんな、通話料下げなくていいから0円で買わせろ!」
「液晶カラーにしろ!」
「WEB見せろ!」
「カメラ載せろ!」
「余計な機能載せんな!」
「うるせー動画見せろ!」
「うるせーゲームやらせろ!」
「うるせー音楽聴かせろ!」
「うるせー買い物させろ!」
「うるせーデコメやらせろ!」
このように異なる意見や立場がぶつかり合って、二転三転しながら携帯とPHSの歴史が進みます。
異なる意見や立場がぶつかり合って思考が進行することを弁証法といいます。
つまり歴史とは弁証法的に流れてゆくものなのです!!
じゃあその歴史の先はどうなってるの?
それを決めるのも、考えることができるのも、人間だけ。
なぜなら人間は主体的で理性的でエライからです。
でも人間ってたくさんいます。
どの人間の目線で追っかけてみますか?
一応ここはひとつ、「PHSが三度の飯よりも好きで部屋が白ロムであふれかえっていて道を歩くときはアンテナ探していつも首の角度が45度」というどーしようもない人種の目線でレッツシンキング!
(あの、愛情込めた表現ですからね、念のため)
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・。
廢人A「いや別にPHSをヒイキしてる訳ではないんですよ。歴史を科学的に推測すれば、PHSにはバラ色の未来が待っていることは当然なんです。」
歴史を科学的に推測って、どんな?
廢人A「PHSは、本来は“外に持ち出せるISDN固定電話の子機”だったのです。」
そうだね、知ってるよ。
廢人A「で、人が多く集まる場所にISDN回線のアンテナを立てておけば、外に持ち出せた子機がそこでも使える。」
うんうん。
廢人B「でもそれじゃあ不十分だ。そんなんじゃいずれ『外で使うならやっぱり携帯電話だよね』ってことになるから、もっとエリアを広げろって主張したんだよ。当時。」
廢人C「懐かしいな。オレそんとき『PHSは外に持ち出せる子機だからコンセプトが違う。携帯と勝負しても意味がない』なんて言ったっけ。若かったなあ。」
廢人B「そうそう、でもそうやって異なる意見をぶつけ合いながら、PHSは携帯と勝負する道を選んだ。」
廢人A「そうなると一気に未来が見えてきた。PHSは携帯より弱い電波でも十分。消費電量も少ない。だから携帯よりも小型化が簡単だ!」
廢人B「将来はパソコンをPHSに繋いで通信できるようになる。そのときにはドン亀携帯なんて目じゃない!なんたってISDNの高速回線だからね!」
廢人C「小型化が進むと、究極的には小さなカードになる。そうなるとあらゆる家電に差し込んで使えるようになる。未来は劇的に変わる。革命だよ!」
廢人A「どう?ここまで間違ってないでしょ?事実だから。こうやって科学的に歴史を推測すると、その先には輝かしいPHSの姿と、滅び行く携帯の姿が目に浮かぶ。プププーッ」
落としたリンゴは足元に落ちる。
液体は沸騰したら気体になる。
距離÷時間=速さ。
愛=理解。
これらはいずれも自然界にある法則。
それは科学的に証明された普遍的な法則。
それなら科学で推論された歴史だって法則通り進むはずだ。
歴史法則なのだ。
つまり。
歴史の行き着く先は「携帯の滅亡とPHSの繁栄」だ!!!
しかも歴史法則で決まったことだから、この未来はもう変えられない!!!
さあ、「人間」は前回にも増して絶好調!主体的で理性的な唯一の存在だし、エライし、歴史まで決められちゃう!携帯は滅んでPHSが生き残る未来も確定しました。
でも・・・・歴史法則の考え方を取り入れたもののひとつに「マルクス主義」なんてのがあります。
そこでは同じように歴史が科学的に証明され、「資本主義は滅び、共産主義が世界を覆う」という未来が導き出されていました。
しかも歴史法則で決まったことだから、これは絶対に変えられない未来だ、とされていました。
でも・・・・ソ連は滅んじゃったよね?アメリカ元気だよね?これってどういうこと?
次回「○○ケータイ学 第三部 未来への遺産〜」(相変わらずジョジョネタじゃん)
歴史が絶対に変えられないのなら、主体的な人間はそこで何をなすべきなのか?
逆らえない運命の中にあるならば、「運命に逆らう」という意志すらも「運命」の一部なのではないだろうか?!
そこでは、輝かしい未来を約束されたはずのPHSに暗雲が垂れ込める物語が展開されます。