モバイルSEO研究会
〜グーグル・エクスペリエンス〜



2008.8.11.このページの最後に追記があります
GoogleやYahooで検索すると出てくるサイト。
これらは検索サイトが作ったロボットが拾ってきたものです。
昼夜を分かたずネット上を、リンクからリンクへと飛び歩いて、見つけたサイトの情報を集めてくるのです。
(これをクロールと言います)

まあここまでは難しい話ではありません。

さてそのGoogleやYahooには、携帯版があります。
モバイル版なので、検索すると出てくるサイトも携帯サイト・・・とは限らないのが、少し難しいところです。

検索結果の上半分に携帯サイト、下半分にPCサイトの、それぞれの結果が表示されるのです。
検索結果
携帯サイト
○○○
○○○
PCサイト
○○○
○○○

普通ならPCサイトを携帯で見るとエラーになります。
え?ウィルコムならPCサイトだって楽々だぜ?でもそれ以前にGoogleモバイルやYahooモバイルに弾か(ry

なので検索結果のPCサイト枠で出たサイトをクリックすると、GoogleやYahooがそのサイトを携帯用に変換して見せてくれます。
携帯用に変換されたページの中にあるリンクも、全て検索サイトがその都度携帯用に変換してくれます。

そう、つまりPCサイト枠に出たサイトをクリックした場合、実は本物のそのサイトへ飛んでいないのです。



何がいいたいか?

[1]検索サイトのロボットは見つけてきたサイトをどういう根拠で「このサイトは携帯サイトだ」と判断しているのか?

[2]携帯サイトが「PCサイト枠」に載ったり、逆にPCサイトが「携帯サイト枠」に載ったら、どうなってしまうのか?

[3]携帯向けとPC向けのURLが共通のサイトは「携帯サイト枠」と「PCサイト枠」のどちらに載るのか?

[4]上の[3]のサイトが「PCサイト枠」にしか載らなかった場合、どうなってしまうのか?

ということを言いたいのです。

特に[3]と[4]は大きな問題です。
ひとつずつ見て行きましょう。



[1]検索サイトのロボットは見つけてきたサイトをどういう根拠で「このサイトは携帯サイトだ」と判断しているのか?

これは正確な答えは不明です。
GoogleやYahooしか正解は知らない訳です。

ただ、UserAgentを判断のひとつ(あくまでもひとつ)として利用しているのは間違いなさそうです。

例えば「携帯からはアクセスして欲しいけど、PCからは入ってきて欲しくない」携帯サイトがあった場合。
アクセスしてきたブラウザのUserAgentが携帯の場合のみサイトに入れるようプログラムしたりします。

そこでロボットはこの仕様を逆手に取ります。

UserAgentは簡単に偽装できます。
PCでもブラウザのUserAgentを「DoCoMo/2.0 SO902i(c100;TB;W24H12)」などと偽装することで、携帯サイトに入れてしまいます。

そこでPCサイト用ロボットとは別に、携帯用ロボットを作ります。
この携帯用ロボットは携帯と同じUserAgentを持つことで「このサイトに入れた=このサイトは携帯サイトである」と判断しています。

しかしここまで読んだ方の中には、こんな疑問を抱く人がいるかもしれません。

「PCサイトがUserAgent判別してなかったら、携帯用ロボットが入れるジャン。」
「“入れる=携帯サイト”なら、このPCサイトは携帯サイトになっちゃうジャン。」

そうですね。
えーと、その通りです。(あっさり認めてるー!!)

だからロボットのロジックは検索サイトの中の人じゃないと分からないんだってば!(逆ギレ)

絵文字が使われていたりページ容量が小さければ携帯サイトと判断される、という噂もありますが、
ページ容量が小さいPCサイトはいくらでもありますし、そもそも何KBから「小さい」のかも分かりません。

ちなみにUserAgent云々が詳しい人は「IPは?」って思い浮かんだかも知れません。
それはまったくその通り。

つまり偽装できる以上、UserAgentによるPCからのアクセスブロックは完璧ではない訳です。
そこで何が何でもPCからアクセスして欲しくない携帯サイトは、携帯キャリア網のIPを利用してアクセス制限をかけています。
ドコモやau、SoftBankにウィルコム。イーモバ。
これらキャリアは「ウチの携帯がアクセスしたらこんなIPを通知するよ」というIP一覧を公表しています。
そこで「このIP以外から来たらPCからのアクセスと見なすッ!」というプログラムを施すことで、PCからアクセスできない携帯サイトが作れます。
まあどのキャリアのIPを「携帯のIP」と見なすかはサイトそれぞれの判断な訳ですが(一部キャリア意味明瞭)

でもそうすると、今度は携帯用ロボットも入ってこれなくなってしまいます。
「携帯用ロボットが入れない=PCサイト」となってしまいます。これは困る。

そこでGoogleは2008年6月中旬から、携帯用ロボットのIPを公開するようになりました。

Yahooはまだ非公開です。
ロボットのログから、おそらくこのIPだろうという目星はついているのですが、Yahooが公式に発表しない限り、それは「絶対」ではありません。



[2]携帯サイトが「PCサイト枠」に載ったり、逆にPCサイトが「携帯サイト枠」に載ったら、どうなってしまうのか?

「携帯サイト枠」に載ったサイトへのリンクは、本物のURLです。
「PCサイト枠」に載ったサイトへのリンクは、携帯向けに変換するためのURLになっています。

なので、PCサイトが「携帯サイト枠」に載った場合の結果は簡単。エラーになって見られません。
(容量が小さいサイトなら見られるかもしれませんが)

逆に携帯サイトが「PCサイト枠」に載った場合は・・・?
携帯サイトが携帯サイト用に変換されてしまいます。
なのでそれ自体はあまり問題ではありません。
(いや、どんな表示に変換することをもって「携帯サイト」としているかという定義に興味がありますが)

問題は、その変換をする直前です。
つまり「携帯用に変換するシステム」が変換対象のサイト(ここでは携帯サイト)を取り込みに行く段階です。
この時、その携帯サイトが「IP制限」をかけていた場合、「携帯用に変換するシステム」は弾かれてしまいます。

・・・・・・。

実験したので間違いありません(爆)



[3]携帯向けとPC向けのURLが共通のサイトは「携帯サイト枠」と「PCサイト枠」のどちらに載るのか?

さあ、いよいよ佳境に入ってきました。

例えば「モバイル戦国時代」。
携帯向けとPC向けにそれぞれ画面が用意されていますが、どちらもURLは同じ。
http://phs.cside.com/sg/
URLは共通でひとつしかありません。

この場合、「携帯サイト枠」と「PCサイト枠」のどちらに載るのか?両方に載るのか?

分かりません。

そこで載るまで観察してみました(爆)

年月日 イベント Googleモバイル Yahooモバイル
2008.4.1

4月中旬
モバイル戦国時代開始 掲載無し 掲載無し
4月中旬
〜6月過ぎ
  PC枠に表示 PC枠に表示

2ヶ月近く「PCサイト枠」にしか表示されません。

ここで恐ろしい想像が浮かびます。

先の[1]で、こんなフレーズがありました。
携帯用ロボットは「このサイトに入れた=このサイトは携帯サイトである」と判断しています。

同様にPC用ロボットも「このサイトに入れた=このサイトはPCサイトである」と判断します。

この2台のロボットの連携が気になりませんか?
もし彼らの電脳がメタルの海で繋がっていて記憶の並列化をしていたとしたら、お互い協力しあう気がしませんか?

つまりPC用ロボットがサイトに入れた場合、「このサイトに入れた=このサイトはPCサイトである=故にこのURLは携帯サイトではない」と判断したとしたら?
そして携帯用ロボットはその結果を受け入れて「このURLは携帯サイトじゃないからクロール対象外」と判断したら?

一生携帯サイト枠に表示されない


[4]上の[3]のサイトが「PCサイト枠」にしか載らなかった場合、どうなってしまうのか?

2ヶ月近くが、無限の長さに感じられます。
終わりの見えない恐怖は、人をさらに恐ろしい想像へと駆り立てる。

「携帯とPCでURLが共通」
「PCサイト枠のサイトは携帯用に変換される」

このどちらも一見よさそうな要素は、しかし組み合わせることで最悪のコンボとなるのだッ!

つまり
【1】「PCサイト枠」に表示
    ↓
【2】クリック
    ↓
【3】当然PC向け画面が表示される
    ↓
【4】しかし携帯用に変換されているので、エラーにならず表示されてしまう
    ↓
【5】万一のPCからのアクセスに備えた「携帯の方はこちら」のリンクがあったとする
    ↓
【6】クリック
    ↓
【7】しかしサイト内のリンクは全て「携帯用に変換するシステム」へのURLになっている
    ↓
【8】「携帯用に変換するシステム」なので携帯キャリアのIPではない
    ↓
【9】当然PC向け画面が表示される
    ↓
【4】へ戻る

終わりが無いのが終わり。

それが「グーグル・エクスペリエンス・レクイエム」
























とか震えていたら、携帯サイト枠にも載りました(爆)
年月日 イベント Googleモバイル Yahooモバイル
2008.6.14

6.30
  PC枠に表示 PC枠と携帯枠に表示
2008.6.30

  PC枠と携帯枠に表示 PC枠と携帯枠に表示
Yahooの方が早かったのは意外です。



とまあ気が付いたらかなりの長文になっていました。
モバイル用検索エンジンは、他にも不思議なことばかりです。

2008.8.11.追記
googleで答えが見つかったっぽいです。。。
ウェブページを変換することを望まない場合は、ユーザーがトンランスコーダを経由してそのページを表示するときにそのユーザーを別のページにリダイレクトするように Google にリクエストしてください。 リダイレクトをリクエストするには、ページの HTML ファイルの <HEAD> セクションに次の行を含めてください。

<link rel="alternate" media="handheld" href="alternate_page.htm" />

代わりのページには、オリジナル ページを携帯用に最適化したページを使用するか、そのサイトが携帯電話では表示できないことを通知するメッセージを使用します。